M田ぶらり旅「霧島神宮へ初詣。それから初蕎麦を 宮崎県都城市『がまこう庵』」

第36回 宮崎県都城市「霧島神宮へ初詣。それから初蕎麦を『がまこう庵』」

 明けましておめでとうございます。

 昨年中はご笑覧いただきありがとうございました。今年もよろしくお願い申し上げます。

 

 初詣は松の内にと言われているが、あの混雑と寒さを思えば参詣がおっくうになり、炬燵で丸くなっとこうという不信心な気持ちが湧いてくるのは私ばかりではないだろう。やはりここはみなさん、気持ちをひろく持って、立春辺りまで時期を延長しての初詣でもいいことにしようではありませんか。

 せっかくなので、ゆとりをもって詣でる先は混雑が予想される、魅力にあふれた神社を選びたい。鹿児島であれば、霧島神宮はその筆頭といえるだろう。大鳥居手前から望む神宮の背景は、秀峰と呼ぶにふさわしい高千穂峰である。あの頂上に竜馬が抜いたと伝わる逆鉾が立っているのだ。

 

 

 西日本一壮大とも言われる大鳥居をくぐり、境内に入ると左手に県内の焼酎銘がずらりと貼りだされてあった。歳末に向けて各地の蔵元から霧島神宮に奉納された銘柄で、それを年明けのお神酒として、参拝客に振舞う習わしになっているという。

 これだけそろっていると、いつも呑んでいる焼酎のラベルがあったと喜び、呑みたいと思っていたあこがれの銘柄を見つけては嬉しがるおやじたちが少なくはないはずだ。・・・はい、もちろん他人事ではありません。

 

 

 境内周りの大きな杉やご神木を眺めながら、さらに奥へ石段を上がっていくと鮮やかな社殿が見えてくる。令和4年2月に国宝に指定された霧島神宮社殿は、朱塗りの柱、梁や装飾された外観を眺めるだけでも美しさに息をのむほどだ。境内のお店のかたに尋ねると、国宝指定されて以降、平日にも国内外から参詣する人々が大いに増えているそうだ。

 

 

 参拝を終えて帰り路、社務所には縁起物の熊手や破魔矢がお守りなどと並んでいる。一年の運勢をおみくじに託すのも正月ならではのことだろう。見上げれば、境内を取り巻く木々はすっかり葉を落とし、エナガやカラ類などの小鳥たちが忙しそうに鳴き交わしながら梢を飛び渡るようすがよく見える。神宮全体が豊かな森に抱かれていることを実感するひと時である。

 

 さて、初春はだらだらと食べているせいか小腹がすく。昔からの、味に間違いのない蕎麦屋に行きたくなる。神宮大鳥居から都城方向に3㎞ほどおりたあたりに構える「がまこう庵」、地元産のそばを石臼で挽き、製粉して打つ麺は格別と評判のお店である。

 

 

 暖簾をくぐったすぐさきには、そば枕や自家製のこんにゃく、天然酵母のパンが小ぢんまりと並べてあり、その奥左が厨房になっている。客席は、テーブルが座敷に4卓、三和土に4卓、そして赤々と燃える薪ストーブの両側にそれぞれカウンター席が5席ほどずつ配してある。そして、お店の一番奥右に麺打ち室が設えてある。窓越しに、これからいただく蕎麦を打った道具がそのまま置かれているようすを見ると、安心感がひろがり、注文した品の出来上がりを待つ楽しみも増してくる。

 

 

 数多い品書きの中から、ざるを選んで待つことしばし。9割で打っているという細麺は、蕎麦の香りが立っていて、つるっと腹に収まってしまう。ちなみに、温かいそばは太麺、十割蕎麦だそう。こちらも言わずもがな。

 

 

 ところで、こちらの店主、蒲生 純さんは2代目だ。自ら蕎麦を打ち、厨房に立っている。

 某日、こちらが名乗ると、お店の一番忙しい時間にかかわらず、厨房から出てきてくださった。飄々とした面立ちではあるけれども、出される料理の味にご亭主の生真面目さが現れているんだなぁと思う。そして、前々から気になっていた屋号の由来を伺うことができた。曰く、

 「初代であるおやじの名前が、親孝行の孝で、これを“こう”と読んで名字の“蒲”と合わせて、『がまこう庵』と名付けたそうです。」

 いつもながら、美味しいお蕎麦をいただきました。ご馳走様でした。

 

 みなさまにとって、素晴らしい一年となりますようお祈りいたします。

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霧島神宮(HP)https://kirishimajingu.or.jp/

 

がまこう庵  1月5日初商

住所:宮崎県都城市吉之元町5186 ℡:0986-33-1226

       (HP) https://gamakoan.jp/

       (instagram)https://www.instagram.com/gamakouan1/

 

(M田)

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コメント: 6
  • #1

    徳田 新之助 (月曜日, 05 1月 2026 11:04)

    がまこう庵、すごい人気ですよね
    いつも多くの人が並んでいるイメージです
    個人的に、川を見下ろしながら猪肉などもついたジビエ蕎麦セット?が大好きです
    素敵な写真に、2026年もさっそく行きたくなりました

    最後になりましたが、今年もどうかよろしくお願いいたします

  • #2

    シカマユキコ (金曜日, 09 1月 2026 21:12)

    今年はまだ初詣に行けていませんが、やっぱり行かなきゃ、と思いました。
    そして、蕎麦の食べ初めも。
    それにしても、焼酎ラベル、壮観ですねえ。

  • #3

    永吉です (金曜日, 09 1月 2026 22:07)

    霧島は寒かったでしょう。綺麗な朱色ですね。後ろに見えるのは高千穂峰かな?昔登ったけどしんどかったなぁ。日本の夜明けも近いぞ�

  • #4

    RimiTa (金曜日, 09 1月 2026 23:49)

    霧島神宮からのがまこう庵!
    素晴らしいコース!良い年になりそうですね。

  • #5

    けんぞう (土曜日, 10 1月 2026 13:15)

    私も三が日を家で静かに過ごし、時期をずらして初詣に向かう「遅い派」です。故郷を離れて久しくなりますが、こちらで蕎麦といえば、仕事の合間に手早く済ませる「日常食」のイメージがあります。しかし、鹿児島での蕎麦は、決して日常の主役というわけではなく、むしろ「通好み」の特別な存在だったように記憶しています。
    だからこそ、紹介されるお店も、静かに根を張るような本格派が多いのかもしれません。いつか機会を見つけて、そんなこだわりを味わいに足を運びたいと思います。
    今年もブログ楽しみです。

  • #6

    しょう (土曜日, 10 1月 2026 16:47)

    初詣は近所の混まない小さな神社で済ませました。
    沢山の焼酎ラベル、思わず拡大して馴染みの焼酎を探しました。在って嬉しい。
    がまこう庵!かつて同級生と行ったことあります!美味しい蕎麦でした!
    けんぞう氏が書かれているように、関東ではそこら中に蕎麦屋がありますが、鹿児島の地元の町では一軒しか記憶にありません。蕎麦好きな父がよく通っていました。
    今年もM田ぶらり旅を楽しみにしています!