メールマガジン第127号>稲田顧問

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★【稲田顧問】タツオが行く!(第83話)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「これまでのタツオが行く!」(リンク

83.暑い夏

 

 今年は、蝉の声が聞かれないとの話をよく聞く。

 確かに、横浜に居ても、鹿児島に来ても、例年の夏に比べ静かである。なぜ、蝉はあんなに小さな生き物なのにどうして、あんなに大きな声を出すのかと不思議に思っていたものだが、今年はその声があまり聞こえないのである。そう言えば、庭の掃除をしていてもあまり蝉の抜け殻をみつけることが今年は少ないように思う。一説には、雨が少なく地面が固くなり過ぎた結果、蝉が地表に出てこれないのだという。7年間も地下に潜って頑張っていたのに、地表に出ることなく地下で死んでしまうのだという。なんとも悲しい話である。

 今年の夏は気温が40度を超える日が、歴史を遡っても最も多い夏なのだそうである。先日のテレビを見ていたら、史上1位から5位までの高温の記録を並べてみたら、全て今年の観測記録であったそうである。大変な事態である。幸いなことに、横浜の私の部屋の古くなったクーラーを夏が来る前に早めに取り替えたので、家の中に居る限りは、快適な生活が送れているが、このまま温度上昇が続くとどうなってしまうのか、大いに心配である。

 

 このような状況が生じるのは、気候変動問題(温暖化ガスの排出増大の問題)に起因することは今や異論の無い所と思う。昨年思う所があって、10年前と直近で、各国のCO2排出量と地球上のCO2濃度がどのように変わってきたか、統計情報を元に調べてみたのであるが、先進諸国は概ねCO排出量は削減傾向にあることが分かった。一方、発展途上国のCO2排出量は、この10年で大幅に増えており、結果として地球上のCO2濃度は、増大傾向にあることが確認できた。このまま進むと、IPCC第4次報告書が警告した危険水域を2050年には確実に超えてしまうことは間違いなさそうである。

 相変わらず地球温暖化起源説には懐疑論の多いのも事実であり、それを聞いて少し安心している人々も多いのかもしれな。しかし例えば、この問題は欧米諸国の陰謀であって、地球温暖化などは存在しないという説もあるが、この暑さをどう説明するのか今や説得力に欠ける意見と思う。あるいは我国のCO2排出の比率は世界全体からみれば、極めて少ない量であり、我国だけが頑張ってみてもあまり意味はないという意見もあるが、各国が足並みを揃えてこの問題に対処しなければ、問題は解決しないと考えた方が前向きなように思える。

 

 ではどうすれば良いかであるが、世の中の動きを見ていると、問題の深刻さには気がつきつつあるのだとは思うが、具体的にどうしたら良いかは皆目わからないというのが実態であろう。そしてこの問題がさらに大きな災禍となって顕在化するのは、かなり先の事であろうから今はそっとしておいて良いのでは、というのが現状のようである。

 しかし本当は、今こそここは思い切った改善策を皆で考えて実行に移すのが重要な時期なのだと思う。例えばこの問題についての改善策を専門の枠を超えて大々的に募集して、面白い場合によっては非常識と思えるようなアイデアも排除せず、思い切って開発資金を投下するというような政策が本格的に進められるべきなのだと思うのだがどうだろか。

 ここは思い切った政策転換が必要な時なのだが、政治の方が全く停滞しており緊張感もなく、一向に期待できる状況ではないことが大いに気懸りである。一体全体どうしたものだろうかというのが今の気分である。

 

(稲田 達夫)