鹿児島・佐多岬の第三回黒潮カップ。荒波とは裏腹に青物が沈黙する中、思いがけない“赤”の一撃。ショアレッドが海に彩りを添えた、特別な一日の記録。
釣行データ
大会名:第三回鹿児島県南大隅町黒潮カップin佐多岬(ルアー部門)
年月日:2026年3月7日
場所:鹿児島県肝付町
釣り人:K松さん、S屋さん、S屋君のご友人、T口田。(※参加者全15名)
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黒潮カップ、今年もやっぱり最高でした。
舞台は本土最南端・佐多岬海域。荒磯に打ちつける波、その先に広がる圧倒的なスケールの海。このフィールドに立つだけで、胸が高鳴ります。
今年はK松さん、S屋君、そしてT口田の3名に加え、昨年の黒潮カップは参加できなかったS屋君のご友人も迎えて4名での参加。当初19名の予定が、当日はやむを得ないキャンセルもあり、最終的には15名での開催となりました。抽選でそれぞれの磯へと渡り、戦いの一日が始まります。
同じ磯に上がった方とは初対面でしたが、タックルに記された名前に見覚えがありました。話してみると、妻が仕事でお世話になっている方のご家族とのこと。意外な場所でつながるご縁に、不思議なものを感じながら、自然と会話も弾みます。
朝はヒラスズキ狙い。離れ瀬のサラシ際へミノーを送り込んだ初投で、いきなりの反応。
3投目で再びバイト。ロッドに乗る確かな重量感。序盤は鋭く走り、やがて一気に底へと突っ込みます。青物を思わせるパワーに、一瞬よぎる期待。慎重にやり取りを続け、魚体を浮かせていくと・・
水面に現れたのは、赤い魚体。
65cmの真鯛。いわゆる「ショアレッド」である。
船ではなく、磯や岸からルアーで狙う中で出会うこの魚は、狙って簡単に釣れるものではありません。条件、タイミング、そして巡り合わせ。いくつもの要素が重なった先で、ようやく姿を見せる特別な一尾。今回の魚も、そんな流れの中で応えてくれたように感じています。
また、同礁の方が手にしたオオモンハタ(45cm)は大会3位に入る見事な一尾。吐き出したイワシや、海面に飛び込むカツオドリの様子からも、ベイトの入りがうかがえます。さらに別の磯では約70cmのヒラスズキも出ており、青物は渋い状況ながら、フィールド全体に多様な魚の気配が広がっているように感じられました。
ヒットルアーは、昨年2位入賞時と同じタックルハウス製「K-TEN セカンドジェネレーションシリーズ」の、「K2F 162 T-3(162mm)」。
ベイトを追って差してきたタイミングを捉え、磯際を丁寧に通した一投に、しっかり反応してくれました。
ショアレッドのヒットルアー「K-TEN セカンドジェネレーション K2F162 T-3 162mm」
表彰式の前には、地元の方々による豚汁とごはんの振る舞いもありました。冷えた身体に、その温かさがじんわりと染み渡ります。
こうしたひとつひとつの心配りも、この大会の大きな魅力のひとつです。
大会結果は、1位イトヒキアジ78cm、2位カンパチ68cm、3位オオモンハタ45cm。いずれも荒磯で引き出された価値ある一尾です。
(※下記画像および動画内に一部表記の誤りがありました。『検量』→正しくは『計量』です。失礼しました。)
なお、本大会はヤガラ・ダツを除く青物や根魚などを対象に、“1尾の長さ”で競うルールとなっています。魚種ごとの違いも楽しめる形式ですが、そのため今回の真鯛は規定上の対象外(いわゆる“外道”)という扱いとなりました。
今回の真鯛は審査対象外となる魚ではありましたが、審査委員のご厚意により、そのサイズや内容をご評価いただき、『特別外道賞』という粋なお計らいをいただきました。思いがけないかたちで評価いただけたことに、感謝の気持ちでいっぱいです。
副賞としていただいたのは、南大隅町とジャンプライズによる限定のご当地カラーモデル『LALAPEN 165F』です。ふるさと納税の返礼品としても人気があるそうで、地域の魅力発信としても興味深い取り組みだと感じいます。地域と釣りがつながる面白さを、ふと実感した一幕でした。
※詳細は、南大隅町のふるさと納税特設サイトをご覧ください。
表彰後の抽選会も終始和やかな雰囲気で進み、K松さんは南州農場の黒豚みそ漬けを、S屋君はルアー「ジャックアイ マキマキ」を引き当てました。最後まで笑顔の絶えない時間でした。
海から、食卓へ。
刺身にフライ、セビチェに漬け丼と、さまざまなかたちで美味しくいただきました。脂の乗りは程よく、血合いは澄んだ美しさ。口に運べば、やさしい甘みと心地よい弾力が広がり、クセのない上品な味わいが印象に残ります。
その一口ごとに、海の記憶がよみがえりました。
荒れていたのは海の表情で、その中には確かな生命の気配がありました。その一端として現れた「ショアレッド」。偶然か、必然か。それは分かりません。
ただ、この一尾が、この日の海に確かな輪郭を与えてくれました。
そして、南大隅の海の豊かさ。やはり凄い場所です。佐多岬というフィールドの凄みを、あらためて実感しました。
海は、本命だけでは語れない。
そんな一日でした。
(T口田)
