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★役員からのメッセージ 取締役製造部長 村田 忠
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いつも弊社メルマガをご愛読くださり、ありがとうございます。
暦の上では立春を迎えましたが、まだまだ風は冷たく春の訪れは遠い様子です。
好循環実現のための経済対策
先頃、平成25年度の補正予算約5兆5,000億円が決定しました。
その一部、林野庁の地域材利活用促進支援対策のうち、「CLT等新製品・新技術促進事業」が約5億円規模で実施されます。当社もこれに応募しており、採択を待ち望んでいるところであります。
経済再生と財政健全化は両立し得るとの判断により、消費税が5%から8%へ引き上げられます。政府は、税率の引き上げをしなかった場合の財政不安による政府、国債の信認を失うリスクより、必要な経済対策を講じて、消費税を引き上げるリスクの方がより小さいと判断し踏み切った訳です。
消費税引き上げ後の反動減に備えて、「好循環実現のための経済対策」(平成25年12月5日閣議決定)には様々な施策が記載されております。
来年度前半に需要が発現する施策に重点化することや、持続的な経済成長の実現、経済政策パッケージ等です。
その中に、木材の利用促進のための木造建築関連基準の見直し<予算措置>(国土交通省)という一行も出てきます。
国内におけるCLTへの期待
昨年、テレビ音楽番組では、AKBの姿を見ない日はないくらいのブームでしたが、木材業界でのブームはCLTといえるでしょう。海外においては、ここ十数年の間に50万m3超の市場規模になったという実績があり、将来性のある大変魅力的な商品です。
上述の林野庁補正予算の事業名に「CLT等」とまで明記されるのですから、国産材の利活用においても、CLTに期待するところは大きいといえます。「直交集成板の日本農林規格」が1月19日に施行され、いよいよ国内でもJAS品として流通する仕組みが出来上がりました。
今年、数件の認定工場が誕生することは間違いないでしょう。当社も夏までに認定工場登録が出来るよう準備を進めているところです。
CLTの利用促進のために
しかしながら、CLTのJAS品がどの程度のスピードで普及していくでしょうか。
国内においては建築基準法上、一般的な建築物の主要構造材としてCLTを用いるには様々な法整備が必要とされており、当面は一部の複雑な手続きを経て建設する方法しかありません。
そのため、CLTを主要構造とする建築物の設計法が定まり、浸透していくまで個人的にはあと3年以上はかかるとみています。それまでJAS認定工場は現行法規上で使用できる分野に限り、もしくは早急に用途を開拓することによって、生産活動を行っていくしかありません。「巧遅は拙速に如かず」といいましょうか。
上述の事業に応募し、早期に実現し得るCLTの利用促進をテーマに取り組んでいこうと考えておりますが、事業の採否にかかわらず、やらなければならない今年のテーマです。
力不足ではありますが、木材利活用の推進に努めてまいりたいと思いますので、今後ともお力添えのほど、よろしくお願い申し上げます。
取締役製造部長 村田 忠